白井晟一展@京都工繊

小規模ながら大いに満足した。大学の名誉の為に一言すると、付属の資料館としては立派なのだが。面白いのは、展示された図面の右下に署名された事務所名が、年代にもよるが、「白井晟一研究所」、「白井建築研究所」、「東京白井晟一設計事務所」と、三種類位存在する事だった。
よく知られたように、白井晟一は無免許建築家であり、その意味ではニセモノである。が、展示でもみられる「懐霄館」や「呉羽の舎 」は正真正銘「大人」の、「ほんもの」の建築である。彼のような人物のことを考えていると、「真正さ」「専門家」といった概念そのものがいかに妄想的なものであるかと考えさせられる。