2008-01-01から1年間の記事一覧

アドルフ・ロース

ミュラー邸をめぐる経験は明るくて楽しいものだった(ヴォランティア女子大生ガイドさん+ビジター僕一人てこともあり)。プラハの高台に残るこの住宅は、現在、大変きれいな状態で保存されており感動した。ミュラー邸のみならず、ロースハウスでもクニーツ…

ウィーンの建築 ストンボロウ邸

ウィトゲンシュタインはこの住宅において、とりわけサッシやラジエーターといった金属製品の設計に執拗にこだわっている。窓枠はどれも縦に長いプロポーションを持っており、水平材が入れられていない。それだけですでに力学的に不安定だが、職人にはさらに1…

ベルリンの建築3

ジューイッシュ・ミュージアムこの建築についてはすでに多くのことが語られているので、建物の構成についてもひととおり頭に入っているつもりだった。エントランスになっている隣の旧ベルリン博物館からアプローチする。そこから地下通路へつながる暗く長い…

ベルリンの建築2

タウトまずノイケルンのジードルンクに行った。中心部から少し南下して、カール・マルクス通りを何ブロックか入った先。地下鉄の出入り口が位置する交差点には日本の駅前にあるのと変わらない酷いデザインの商業建築があってどこも似たようなものか。ただタ…

ベルリンの建築1

ノイエ・ヴァッヘなかに入ったのは午後2時ごろだったろうか。ウンター・デン・リンデン通りのこのエリアは、白井晟一も通ったベルリン大学(玄関ホールにはすごい哲学者の有名な文句がかがやき、にぎやかな中庭にはレジスタンスの記念碑が建つ)やナチスによ…

ロックト・イン/二進法―「潜水服は蝶の夢を見る」について

原題の「潜水服と蝶」でいい気がするが、その辺省略する。ロックト・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)という難病に冒された人物に関する映画であった。キャメラは主人公の視点を保って幕を明ける。意識を取り戻すと病室のベッドの上だ。ピントは合わな…